本ページでは、人身事故の被害に遭ってしまった方が、取るべき行動や注意点など知っておくと良いことを解説します。
交通事故は「物損事故」と「人身事故」に分けられます。自動車などの物への損害が生じたときは物損事故、怪我や死亡など人への損害があるときは人身事故になります。
また、物と人の両方に損害があるケースも少なくありません。その場合は、人身事故になります。
物損事故として扱われるのと、人身事故として扱われるのでは大きな違いがあるので、交通事故に遭ったときには注意が必要です。
交通事故に遭ってしまったら、警察に連絡しましょう。事故によるケガがあるならば、病院の整形外科に行くことがおすすめです。
また病院へ行ったら、「人身事故」として警察に届け出ましょう。車にドライブレコーダーがないときは、警察が作成する「実況見分調書」が過失割合などを交渉する際に有効な証拠となる可能性があります。
交通事故が物損事故で処理されると、治療費などが保険会社から支払われない可能性もあります。
交通事故によるケガで治療を受ける際には、主治医に症状を具体的に伝えて診断してもらいましょう。
診断記録や検査結果などは重要な証拠となるので、明確な症状を伝えることは人身事故に遭ったときの大きなポイントといえます。少しでも気になる症状があれば、遠慮せずに伝えることが大切です。
また整骨院への通い方なども慰謝料に響くポイントのため、適切な通院方法などを弁護士までご相談ください。
治療を受けてもケガが完治しなかった場合、「症状固定」となります。
むちうちでは6か月、骨折では1年が症状固定の目安となります。
保険会社によっては、上記よりも早い段階で症状固定とし、治療費の支給を打ち切ろうとすることがあります。
また症状固定日は慰謝料や治療費にも関わってきます。
保険会社から症状固定を提案されても安易に同意せず、まずは医師や弁護士に相談しましょう。
治療しても完治せずに症状が残ることを、一般的には「後遺症」と言います。
「後遺症」と「後遺障害」の主な違いは、以下の2つです。
上位の2つを満たすと一般的に補償の対象となる「後遺障害」と表現することが多いです。
また後遺障害の等級が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益などの損害賠償を請求することができます。適切な認定には専門知識が重要となりますので、詳しくは弁護士までご相談ください。
保険会社から慰謝料などの示談内容が提示された場合は、特に注意が必要です。
いったん示談になってしまうと、やり直しすることはできません。
後悔しないために、必ず前もって弁護士にご相談ください。
なぜなら、保険会社は裁判所で認めている示談金の額よりも、はるかに少ない金額を提示するケースがほとんどだからです。
提示された金額が適正なのかを被害者自身で判断することは難しいため、示談交渉は弁護士に頼ることが、慰謝料増額の大切なポイントになります。
交通事故のほとんどは示談交渉で和解となりますが、双方が納得できずに難航することもあります。
その場合は「裁判を起こす」という方法もあります。
訴状の作成や裁判所への提出、口頭弁論による主張、判決といった流れになります。
弁護士に依頼しなくても裁判は起こせますが、自身の主張を裁判官に適切に伝えて望む結果を得るには、専門知識を持った弁護士に頼ることをおすすめいたします。
ここでは、交通事故の「示談金」として請求できるものには何があるのかを解説していきます。
交通事故によって受けた損失に対する請求が「損害賠償請求」です。
損害賠償請求には、怪我の治療費に関連するものや物損に対するものが含まれます。
ほかにも、事故がなければ働けていた分の休業補償や、後遺障害が残った場合の逸失利益なども請求することができます。
また示談金には、心身への苦痛に対する「慰謝料」も含まれています。
交通事故により入院や通院を余儀なくされたことへの慰謝料のことです。
また、治療後に後遺障害が残った場合や死亡した場合の慰謝料も請求できますので、それぞれの項目ごとに詳しく解説していきます。
損害賠償金とは、交通事故などで損害を受けた人に対して加害者が埋め合わせとして支払う金額を指します。また、損害賠償金は、積極損害と消極損害の2つに分けることができます。
慰謝料とは、精神的被害に対して受け取れるものです。交通事故の被害では、ケガで病院に行った場合などに支払われます。物損事故のみでは、慰謝料は認められないことがほとんどです。
また慰謝料は原則として入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3つの種類にわかれます。
損害賠償の「積極損害」のなかには、破損した車の修理代も含まれます。
修理代だけでなく、評価損(格落ち損)も、状況に応じて請求することができます。
また修理額が中古市場の相場を超えてしまう場合は全損扱いとなるため、買い替え費用も請求可能です。
そのほか事故により代車を使ったために料金が発生した場合や、買い替え手数料なども物損関連になるので、示談金として受け取ることができます。
交通事故の示談交渉は、当事者同士よりも保険会社があいだに入ってやりとりするケースが多くあります。
これは、運転をするほとんどの人が自賠責保険のほかに任意保険にも加入しているためです。任意保険には示談交渉サービスが付帯しているため、事故が起こると当事者に替わり交渉を進めることになります。
ここでは、自力での交渉や保険会社に任せたりせず、弁護士に依頼する場合のメリットを紹介していきます。
保険会社
弁護士
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弁護士
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交通事故の過失割合は、責任の度合いを割合で表したものです。
過失割合は過去の裁判例と、該当事故状況を照らし合わせながら検討されます。
事故状況は車のドライブレコーダーや、警察が作成する「実況見分調書」を参考にすることがあります。
保険会社任せにすると、被害者に不利な割合になる可能性もありますので、疑問に思ったら弁護士にご相談ください。
労災保険は「労働者災害補償保険」といい、1人以上の従業員を雇用している事業所は加入していなければなりません。
業務に関係する「通勤・仕事」などでの運転中に、人身事故に遭ってしまった場合の多くは適用されます。
労災保険は任意保険などとは異なり、過失割合は適用されません。
そのため、被害者側の過失割合が大きいときは、労災保険を使ったほうが良いケースもあります。
また相手が任意保険に加入していない場合では、労災を使ったほうがよいときもあります。
労災を適用したほうが良いかは状況に応じて異なりますので、弁護士までご相談ください。
人身事故に遭うと、相手から「物損にして」と頼まれるケースがあります。
物損事故だと、刑事事件にならず、免許証の点数にも影響はないからです。
損害賠償金も、人身事故より物損事故のほうが少なく、示談交渉なども早く終わります。
そのため、交通事故の加害者としては、物損事故にしたがることがあります。
しかし、事故直後には怪我をしていないと思っていても、あとから頸椎損傷(むち打ち)などの症状が出てくることもあります。
交通事故で体への衝撃を感じた場合は、相手に頼まれても安易に物損事故にしないように気をつけましょう。
実際には人身事故だったのに物損事故にしてしまうと、さまざまなデメリットが生じます。
物損事故で処理してしまうと、相手から入通院費は支払われなかったり、損害賠償の請求額も低くなることがあります。
また警察による「実況見分書」も、物損事故のままでは作成してもらえません。
実況見分書は過失割合や後遺障害認定に使うことがあるため、注意しましょう。
”今”困っていなくても相談しよう
「今は困っていない」「相手の保険会社と揉めていない」という理由で、弁護士に相談されない方が多くいます。
実際、多くの方が「示談交渉」時の示談金額に疑問をもち、弁護士に相談しに来ます。示談交渉時から弁護士に相談するメリットも大きいですが、交通事故に遭ったら早い段階で相談することが重要です。示談金の増額につながるアドバイスが最初からでき、被害者の精神的・経済的メリットがより大きくなります。
また、トラブルを未然に防ぐようにアドバイスを差し上げることも可能です。
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