示談交渉で請求できること
チェックリスト

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監修者

平松剛法律事務所 代表弁護士

平松 剛Go Hiramatsu

PROFILE

交通事故被害では、示談交渉できる項目が多岐にわたります。以下では状況別に請求できる可能性のあるチェックリストをご用意いたしました。
チェックリストを参考にしていただき気になる点などがあれば、弁護士へ相談することをおすすめします。

入院・通院関連

カテゴリ 項 目 備 考
治療費 診察料  
検査料  
手術料  
入院料  
投薬料  
処置料  
特別室料 普通病室に空きがなかったときや、医師から指示があったなどの時のみ
差額ベッド料
応急手当費  
転院費  
退院費  
通院費  
柔道整復等
費用
実際にかかった費用が多い場合は、実際の金額を請求していきます。
鍼灸、
マッサージ費用
治療に必要であると医師が認め、保険会社から事前の承認を得た場合
温泉療養費 医師の指導とともに医療機関の付属診断所などで行われた場合のみ
文書料 診断書 後遺障害が残った際の「等級認定手続き」などで使用した場合
診療報酬明細書
(レセプト)
裁判手続き等で「治療費が必要かつ相当な範囲」かの立証などで使用した場合
医師の意見書 交通事故による怪我・後遺障害の関係性を立証するためなどに使用した場合
MRI、レントゲンなどの画像
コピー代
後遺障害の等級認定手続きなどで使用した場合
印鑑証明書
交付手数料
 
住民票交付手数料  
後遺障害診断書
作成料
後遺障害認定が下りた場合のみ
付添
看護費
通院付添費 通院に家族が付き添った場合
入院付添費 交通事故で入院した被害者に付き添った場合に賠償の対象となる損害
症状固定までの
自宅付添費
交通事故の被害者が自宅生活する際に、身の回りの世話などの介護のために近親者等が付き添った場合
慰謝料 入通院慰謝料 ケガの治療で入院や通院をした場合、慰謝料を請求することができます。詳細はこちら
その他 入院雑費 交通事故の被害者が入院時に購入した費用は、「入院雑費」として加害者に請求することができます。入院雑費は、入院1日当たり1,500円で計算されます。
実際にかかった費用が多い場合は、実際の金額を請求していきます。
通院交通費・宿泊費 通院に要した公共機関(電車、バス)の料金、ガソリン代、駐車場料金、高速道路料金、タクシー代

後遺傷害事故関連

項 目 備 考
器具・装具の費用 交通事故で後遺障害が残った場合には、義足や義手、義眼などの器具・装具が必要になることがあります。これらの器具にかかる費用についても、交通事故による損害として加害者に賠償請求をすることが認めらる可能性があります。
家屋改修費 重大な後遺障害が残り自宅での介護が必要になったケースでは、バリアフリー化や浴室の改造、ホームエレベーターの設置など、家屋を改造しなければならないことがあります。そのような費用についても、「家屋改修費用」として加害者に請求することが認めらる可能性があります。
車両改造費 被害者の身体が不自由になった場合、車両の改造が必要になるケースもあります。その改造費用も交通事故の損害として認められます。
ただし、家屋改修費用と同様、請求できるのは被害者の受傷内容や後遺障害の程度を鑑みて、必要と見なされる範囲に限られます。不必要に高額な設備や、カーステレオなど被害者の後遺障害と無関係な設備を入れた場合には、その分の費用は認められない可能性があります。
介護費 被害者に遷延性意識障害(いわゆる植物状態)や高次脳機能障害、四肢麻痺などの重大な後遺障害が残り、自力での生活が困難となった場合には、介護が必要となります。その場合、介護費用も加害者に請求することが認められます。
将来介護費用 後遺障害が残って長期的に介護を要する状態になった場合、将来分の介護費用を「将来介護費用」として請求することできます。
逸失利益 逸失利益とは、交通事故が原因で怪我をしたために、事故にあわなければ将来得られたであろう収入を補償するものです。詳細はこちら
後遺障害慰謝料 後遺症が「後遺障害」として認定された場合に請求できうる慰謝料のことです。詳細はこちら

死亡事故関連

項 目 備 考
葬儀費 原則として、墓碑建立費、仏壇費、仏具購入費、遺体処置費、遺体運送費等の諸経費が請求できます。
※原則として150万円まで。これを下回る場合は、実際に支出した額が支払われます。
死亡慰謝料 被害者が死亡した場合、慰謝料を請求することができます。詳細はこちら
逸失利益 事故にあわなければ将来得られたであろう収入を補償するものです。後遺障害事故と死亡事故で請求することができます。詳細はこちら

物損事故関連

項 目 備 考
修理費 車両の修理が物理的にも経済的にも可能な場合には、修理費相当額が損害として認められます。修理費の認定は、自動車修理工場の見積書や請求書から行われます。
経済全損
(買い替え費用)
修理費用が車両の時価等を超えている、いわゆる経済全損に当たる場合には、車両損害として認められるのは、修理費用ではなく、車両の時価等に限定されます。
ただし、特段の事情がある場合には、例外的に車両の時価を超える修理費が損害として認められる余地があります。たとえば、被害車両と同種同等の車両を中古車市場において取得することが困難な場合などがこれに当たります。
評価損
(格落ち損)
車両を修理しても、車両の機能や外観が修復されなかったり、あるいは、修復していても事故歴が残るなどにより売却価格が下がるような場合に、いわゆる「評価損」が損害として認められることがあります。
評価損が認められるか否かは、修理の程度、車種、登録年度、走行距離等を考慮し、修理費用を基準に判断される傾向にあります。
代車費 修理期間中、あるいは新車買換え期間中に、代わりの車両を使用した場合、その代車費用を請求できることがあります。
休車損 休車損とは、事故のために車両が使用できなくなった場合、その期間、使用できていれば得られたであろう利益に相当する損害をいいます。この休車損は、主として営業用車両の場合に認められます。
ただし、代用できる遊休車両がある場合や代車費用が認められる場合などには、休車損は認められません。
登録手続関係費 税金、廃車に関する費用、自動車検査登録手続費用、車庫証明手続費用、納車手数料などを請求できます。
雑費 車両保管料、レッカー代、時価査定料、通信費、交通事故証明書交付手数料、廃車料などを請求できます。

休業補償

項 目 備 考
休業損害 休業損害とは、交通事故のため働くことができず、得られたはずの収入を失うことです。その休業分の収入を補償してもらうことができます。詳細はこちら

その他

項 目 備 考
損害賠償手続きに
かかる費用
損害賠償を請求するときには、診断書を取得する際の文書料や交通事故証明書、⼾籍謄本、印鑑登録証明書等の書類を取り寄せる際にかかった費用、成年後見人を選任するためにかかった手数料等、様々な雑費が必要になります。このような費用も、交通事故の加害者に賠償請求することが可能です。
弁護士費用 交通事故被害の損害賠償請求は、ほとんどが示談交渉で解決します。しかし示談で和解できずに訴訟まで進むことがあります。その訴訟に弁護士を付けていた場合、弁護士費用を加害者に請求することができます。
※判決で加害者に支払い命令が出た場合に限ります。
遅延損害金 交通事故が起きた時点で損害も発生します。そのため加害者は被害者に対して損害賠償金をすぐに支払う義務を負います。しかし実際に賠償金が支払われるのは、示談交渉または訴訟で和解してからです。つまり、交通事故が発生してから賠償金が支払われるまでの期間、加害者は「支払い遅延状態」となります。
そのため被害者は、加害者に対して賠償金支払いの「遅延損害金」を請求することができます。

解決までの流れ

※状況別のボタンを押下すると詳細ページをご覧いただけます。

※このページに掲載している写真、イラストはイメージです。