給与カット 解決事例3
給与カット無効、減額分の
給料を回収
Gさんは中堅の商社の営業部長として勤務していましたが、ある時社長が、業績不振のため従業員全員の給料を減らすと、一方的に通告してきました。またある時は、いわれのない降格処分を受け、それよいことに、さらに給料を減らされてしまいました。
そのようなことが何回か繰り返された結果、Gさんの給料は、最も多かった時期の4分の3にまで下がってしまいました。
Gさんは、そのような社長の仕打ちに失望し、会社を退職して減らされた賃金を請求し、訴訟を提起しました。
判決で、Gさんの給与の減額は全て無効と判断されました。裁判所から減額分の給料を遡って支払うよう命じられた会社は、直ちにその金額を支払いました。
解決のポイント
会社側が、Gさんが給料の減額に同意したことの証拠を出せなかったことや、役職と連動した給与体系を定めていなかったことが、上記の解決につながりました。
コンプライアンスのしっかりしていない会社では、社長などの経営者の一存で給料が減額されることが少なくありませんが、そのような勝手な給料の減額は、まず認められないと思っていただいて結構です。
給料の減額でお悩みの際は、諦める前に、①給与体系がきちんと定められているか、②給料の減額に同意する書面に署名したか の2点を、まずご確認ください。