設立の経緯
なぜ平松剛法律事務所を立ち上げたのですか?
2007年に、当事務所を設立する前のこと。働きながら司法試験の受験勉強をしていた頃に、私は勤務先で不当な雇い止めに遭いました。
法律事務所に相談してみよう。そう考えたとき、信頼して話ができるところがひとつもないことに気づきました。相談先を決めるための検討基準もなかった。
やむを得ず、自ら少額訴訟を簡易裁判所に提訴しました。私の主張は全面的に認められ、納得いく結果を出すことができました。
それが、私の弁護士としての出発点です。そして「労働者のための労働問題」を取り扱う法律事務所を設立した理由でもあります。
私自身が、人生においてどうにもできない問題を抱え、答えを見失ったひとりの労働者でした。だからこそ、いつでも労働者の側に立ち、理不尽なことに共感し、時には依頼者と喧嘩してでも本音を聞きながら、一緒に戦いたい。
かつての私のように困っている個人が、まっさきに頼ろうと思える存在になる。その想いが今でも原動力になっています。
経営ビジョンと今後の展望
「この弁護士なら話を聞いてくれる」。そう思ってもらえる真のプロフェッショナルでありたい。「法律のスペシャリスト」としてだけではありません。率先して「ひとりの人間」として相談者に向きあうことが基本です。
日本人にも、外国人にも、日本にいる人なら誰にでも。相談者一人ひとりに寄り添い、解決のために事務所のメンバーが力を合わせてともに戦う。訴訟の結果にも、人としての信頼にも高い満足度で応え、「もし周りに困っている人がいたら、平松剛法律事務所があることを教えよう」。そう感じていただきたい。
そのために当事務所に所属するメンバーは、弁護士も事務員も一人ひとりが前向きで、挑戦することを諦めません。労働者の問題を解決することで、日本を変えていく、世界を変えていく。そういった存在になりたいと思っています。
そのために現在取り組んでいることや計画について教えてください。
ひとつは、地域ならではの課題を解決するために、地元に根ざした法律事務所になるべく全国展開をしています。地域によっては弁護士の数にはどうしても偏りがあり、人口1万人あたりの弁護士が1人以下のいわゆる弁護士過小地域も存在します。しかし、依頼者が受けられるサービスの質に格差があってはならない。
現在、事務所は全国13ヶ所に増えました。さらに私たちの事務所がない地域でもほぼ全域をカバーできるよう、頻繁に無料出張相談会を実施しています。
北海道の帯広や旭川から、沖縄や九州の離島まで。まさに北から南まで弁護士が自ら出向いていく。遠方に住んでいたり、病気や高齢で外出が難しかったりする依頼者の自宅を車で訪問することもあります。
より依頼者に寄り添い、向きあうために、待っているだけではなく自ら会いに行くことが大切だと思っています。
さらに、今後は日本で働く外国人の方々のサポートにも力を入れていきます。新型コロナ禍をきっかけに、国内案件にとどまらずグローバルな視点を加えて、取り扱い分野を拡大すべきと思い至りました。
そこで、外資系企業で起こる労働問題に本腰を入れ始めたところです。こうした分野を取り扱うには、相談者・依頼者としっかりコミュニケーションを取れる英語力、日本人的な"内向きの価値観"に縛られない国際人感覚が必要です。
そのために、所員の皆さんには積極的に英語を身につけるよう働きかけています。実際、毎日オンライン英会話レッスンを受けている事務員の方々も増え、定期的に実施しているTOEIC®の点数を大きく向上させる所員が増えてきて嬉しく思っています。また、留学支援制度も設置しているので、弁護士がこの制度を活用して、海外で得た体験や考え方を所内に還元してくれるようになったら嬉しいですね。
組織づくりや社員に対する思い
そうした価値観はどのように日々の業務に反映されていますか?
日々の依頼者・相談者の方々と向きあう際に基本的な行動基準として反映されています。
平松剛法律事務所の仕事は、労働問題など一般消費者の方々の法律相談がメイン。依頼者・相談者の方々にとっては、法律事務所を訪問すること、弁護士に相談することはとてもハードルが高いことです。だから弁護士も事務員も、相談者の方々と同じ「人」として接していく、そのためには、まず私たち所員が働く場から無意識の"壁"や"上下関係"を取り去らなくてはならない。
平松剛法律事務所は、弁護士を「先生」と呼ぶことを禁止しているんです。所内は全員、私も含めて"さん"づけで呼び合います。
それだけではありません。私たちの強みは弁護士に与える裁量の大きさと、全国13ヶ所にある事務所ネットワーク。一人ひとりを信頼し任せると同時に、それぞれの知識やノウハウを共有し、全員で助けあえる仕組みを用意しています。
入所1年目から残業代請求や不当解雇、退職金請求、給与減額といった多様な労働事案を最初から最後まで担当できるので充実感が高く、経験の幅を広げることができます。しかし1年目から任される範囲が広いからといって、放ったらかしにはしません。当事務所が注力する取り扱い分野に詳しい弁護士が講師となって、数種類の座学研修を行っています。また、初めて経験する事件でも、過去に同様の経験をした弁護士が全国のどこかには存在します。リモートツールで弁護士どうしが相談でき、過去の事案が集約されたデータベースも構築しています。さらに事務員の方々と弁護士のコミュニケーションも密で、チームワークで事件処理を進めます。そういった信頼関係、協力関係を仕事のベースとしています。
求める人物像・候補者に対する期待
これから応募を考えている方に対して、どのような期待を持っていますか?
平松剛法律事務所には、弁護士経験や社会人経験が充分でない方からもたくさん応募をいただいています。なかには、本当に一人前の弁護士として仕事ができるか不安に思っている方も少なくないと感じます。
しかしながら、当事務所では、そのような方こそ是非、一緒に仕事をさせていただきたいと思います。
なぜなら、当事務所が採用で最も重視しているのは「何でも吸収できる素直さ」だからです。素直さや好奇心、成長意欲があれば、人はいつまでも成長できます。
最初は失敗してもいい。それが大切な経験となって次の成功に繋がりますから。様々な弁護士業務を通じて経験を増やしながら「世界に通じる弁護士」になってほしい。
LLM(Master of Laws 法学修士)の取得支援制度を活用し、全国の所属弁護士とのネットワークのなかで、成長を続けていってもらえればと期待しています。
平松剛法律事務所はまだまだ成長過程の法律事務所です。これから応募を考えている方々には、ぜひ、当事務所を支える主要な一員となってもらうと同時に、新鮮な視点で時代の変化に反応し、改善を提案していってもらいたいと期待しています。
将来どこにいっても活躍できる弁護士になることを目指して、弁護士スキルと人間的な成長を図っていってもらいたいと思います。
最後に、所員(弁護士)にどのような成長や貢献を期待していますか?
誠実に行動し、失敗を恐れずにチャレンジを続けていく一人ひとりが「人として、人と向きあう」ことを高度に実践していくことを期待しています。
平松剛法律事務所の何よりの財産は「人」です。
"人に勧めたくなる"法律事務所No.1、悩みを抱えた労働者にまっさきに頼られる存在になるために一番大切なのは、ここで働く弁護士と事務員の皆さんが相談者のために力を合わせることなのです。