視聴率って?
普段の生活の中で耳にする「視聴率」。
放送中のドラマやバラエティー番組が「視聴率〇〇%だった」「視聴率〇%で好発進(または低迷している…)」というニュースを目にする機会もありますよね。
その「視聴率」とは、一体どういったもので、どうやって計測しているのでしょうか?そしてそのデータはなんのためにあるのでしょうか?
実際「視聴率という言葉は聞いたことあるけど良く知らない…」という方もきっと多いのではないでしょうか。
今回は大阪事務所の尾崎さんをお招きし、「視聴率」について用途や計測方法をわかりやすく解説していきます。
![尾崎さんと栗原さんの写真](/house-journal/ns-in-focus/vol003/img/img_article_01.jpg)
①そもそも視聴率とは?
生徒:尾崎くん
視聴率とは、そもそも何ですか?
視聴率とは、テレビ番組またはテレビCMがどのくらいの世帯・人に見られたのかを示すものです。
視聴量を示す指標の1つですね。
ほうほう。それは誰のために示しているんでしょう?
そうですねぇ。
下記のような、放送の編成や番組制作の参考としての役割がまず挙げられますね。
若者が多く見ている番組のテイスト
高齢者が多く見ている時間帯
この日のこの時間帯はAの番組を流して…次はBという番組を作ろうかな…などの比較
なるほど!
ではテレビ局の人たちにとっては大事なデータなんですね。
そうですね。
ターゲットを明確にできるので、有効活用できますよね。
関連して、我々adcues agency(AA)がいつどのテレビ局(番組)に発注するのがいいのか、いつどのCMを放送するのがベストなのか、そういった広告出稿の方針を検討するために一部参考にしていたりもします。
クライアントの希望するターゲット層に応じて適した出稿枠を提案する、そういったCMセールスにも活用していますね。
②視聴率はテレビ局や広告業界の
人しか使わない?
じゃあ…テレビ局や広告業界の人にしかあまり役に立たないのですか?
極端に言ってしまえばそうかもしれませんね(笑)
視聴率が高いと、媒体の価値も上がるので。
ただ、視聴率が高いと何かと話題になりますよね?
視聴率はその時代のトレンドを示すものでもあるので、人々の記憶にも残りやすいですし、人と話すときの一つの話題にはなりますよ(笑)
確かに!友人らとたまに「学生の頃に見たドラマ」の話で盛り上がったりしますね。
懐かしい気持ちにもなりますよね。
あとは、これも関わっている業界特有のメリットかもしれませんが、視聴率を指標にして視聴者が求めていることを把握できるので、世の中の動向を理解することもできますね。
社会調査的な役割ですね?
ちょっと違うかもしれませんが、人気の商品とか、ファッショントレンドとかにも影響があるんでしょうか?
そうですね。「今はこのテイストの本が売れるんだ」とか。あるいは、「〇〇のドラマに出てた女優さん、ショートヘアーが可愛かった」と視聴率が高いと話題になりやすいですよね。そしたらショートヘアーが流行るかもしれない。
へぇ。
そうすると、派生していろんな業界、業種ある意味影響を及ぼしているんですね。
そうかもしれませんね。
あまりそういう風に私も視聴率を気にしたことがなかったんですが、角度を変えると面白いですよね。
③視聴率って誰がどうやって
計測しているんですか?
なんか、今まで聞いたことしかなかった視聴率、ちょっと身近に感じてきました!
でも、栗原さん、視聴率って誰がどうやって計測しているんですか?
それはですね、まずは国勢調査のデータをもとに調査会社が、一般家庭に協力を依頼するんです。
と、言いますと?
多くのテレビ局では『ビデオリサーチ』という調査会社の視聴率データを活用しているんですが、例えばそのビデオリサーチ社がランダムに抽出した世帯へ協力を依頼して、PM(ピープルメータ)と呼ばれる世帯内の個人の視聴も把握することのできる測定機を設置して調査するんです。
測定する機械があるんですね!でも選ばれ方はランダムなのかぁ…。
そうなんです。テレビ所有世帯からくじ引きのような方法で無作為に選ばれます。
そして調査は放送エリアごとに調査されるのですが、実は視聴率には2種類あります。
え?それも初耳です!
調査エリア内のテレビ所有世帯のうち何世帯でテレビをつけていたかを示す「世帯視聴率」と、誰がどのくらいテレビを視聴したかを示す「個人視聴率」の2種類なんですが…よく分かりませんよね(笑)
はい(笑)どう違うのでしょう?
図で説明しますね。
![](/house-journal/ns-in-focus/vol003/img/img_article_02.png)
「世帯視聴率」のパーセンテージは、テレビを所有している世帯を母数として、どのくらいの世帯が視聴していたかを示す割合になります。
各世帯の1人でもテレビを見ていればOKなんです。
それでカウントの対象となります。
例えば、上の図の例では、「4世帯中3世帯が見ていた」という結果になりますよね。
そうすると、世帯視聴率は
3÷4=75.0%
となります。
一方、「個人視聴率」のパーセンテージは、調査世帯の中に住んでいる4歳以上の方を母数として、その中でどのくらいの人が視聴していたかを示す割合になるんです。
上の図の例では、調査対象の4世帯のなかに4歳以上の人が合計12人いて、そのなかで4人がテレビを見ていたこととなり、個人視聴率は
4÷12=33.3%
となります。
75%と33.3%…ずいぶん違う感じがしますね。
そうですよね。
上の例のように、同じ視聴実態であっても、世帯視聴率と個人視聴率では示される数字の水準が変わるんです。
④私たちが普段見聞きする
視聴率はどっち?
ちなみに、私たちが普段見聞きする視聴率は世帯視聴率と個人視聴率のどっちなんですか?
「朝ドラ最終回の視聴率が25%」といったようなやつですよね。
これまで実はメディアに掲載される視聴率は「世帯視聴率」が一般的でした。
でも、2020年4月にすべての調査地区で「個人視聴率調査」を開始したこともあり、現在は「個人視聴率」の活用が広まっています。
では、世帯視聴率は必要なくなったんですか?
個人視聴率は世帯視聴率に「取って代わる」わけではないんです。
例えば、世帯視聴率が同じ2つの番組でも、それぞれの個人視聴率が異なっていると、個人視聴率が高い番組の方が「世帯内で家族が一緒に番組を見ている」ということを示します。
これは世帯視聴率と個人視聴率を両方計測しているからこそ、分かる背景なんです。
家族や友人でテレビを一緒に見ることを「共視聴」と言うのですが、テレビ番組やCMが共通の話題になるという点は、テレビが持つ大きな特徴・長所と言えます。
これを表現できるのは世帯視聴率なので、なくなりはしないと思いますよ。
なるほど。両方を見るからこそ、分かることがあるんですね。
ちなみに、「平均視聴率」と「瞬間最高視聴率」っていうワードも耳にするんですが、あれはなんですか?
紅白歌合戦やサッカー W杯とかもよく「瞬間最高視聴率40%!」なんて言いますもんね。
実は視聴率は1秒ごとではなく60秒ごとに計測されているんです。
つまり、平均視聴率とは60秒ごとの視聴率を平均化したものです。
そして、一番組のなかで最も高い毎分の視聴率を瞬間最高視聴率といいます。
⑤視聴率はリアルタイムで
視聴していることに限られる?
なるほどなるほど。
でもそうすると、リアルタイムで視聴していることに限られてしまいますよね?
今は録画して後から見るなんてことは当たり前ですもんね。
気になりますよね。
実は一般的に「視聴率」と呼ばれているものは、「リアルタイム視聴率」といって、放送と同時にリアルタイムで視聴している割合を示す指標になります。
やっぱりそうなんですね。
では、録画で視聴したものは計測できないんですか?
いいえ、そうではないんです!
番組放送時刻から7日間以内(168時間以内)を対象に、どのくらいタイムシフト(録画再生)視聴されたかを示す指標もあります。
録画視聴でも視聴率は分かるんですね!
はい。
それが「タイムシフト視聴率」です。
基本的にテレビ局のタイムテーブルは1週間単位なので、「次の放送」までの視聴を意識して、「7日間以内」とされています。
あ!テレビで番組表を出したら確かに7日間のものは番組の詳細は出るけど、結構先だと出演者とか内容までは詳しく出ないです!
そうそう。
予約録画の関係でかなり先まで番組表自体はあると思いますが、詳細は空欄のことが多いですよね。
なるほど~、なんかよく知らなかったことが繋がってきた気がします!
お~、それは嬉しいです。
ちなみに、リアルタイム視聴とタイムシフト視聴のいずれかでの視聴を表す指標を「総合視聴率」といいます。
⑥総合視聴率とは??
ん?総合視聴率?どういうことですか?(笑)
ややこしいですよね(笑)リアルタイムでも視聴し、タイムシフトでも視聴した「重複視聴」が存在する場合は、リアルタイムにカウントされ、これをリーチの考え方で集計するんです。
これは番組単位での視聴の拡がりを示すものとして、「新たな指標」と考えられています。
たとえば、リアルタイム視聴率が10.0%、タイムシフト視聴率が5.0%、リアルタイム視聴とタイムシフト視聴の重複率が1.0%だった場合、総合視聴率は14.0%です。
![](/house-journal/ns-in-focus/vol003/img/img_article_03.png)
視聴率には、さまざまな種類や算出方法があることがわかりました。
ちなみに…「視聴率1%」はどのくらいの人が見ているんですか?
尾崎さんは、「視聴率1%」というと実際にどのくらいの人が視聴していると思いますか?
聞いたことあるのは100万人です。
日本人口を1億人で計算するとそうなりますね。
実は視聴率って、いくつかの地域ごとに調査しているため、全国単位ではないんです。「世帯視聴率1%」という調査結果が出た場合、関東の場合は約18万世帯が視聴したと推定され、そして「個人全体視聴率1%」となると約40万人が視聴したと推定されます。
なるほど、全国で何人になるかというのは視聴率から正確には分からないんですね。
そうなります。
でも、1%の視聴率でも実世帯数・実人数ベースで換算すると相当な数になるんですねぇ。関東は1%で約40万人かぁ。
そうですねぇ。
あまり考えたことはなかったですが、トレンドや世の中の動向にも関わっていると思うと、ちょっと印象が変わりますよね。
はい!いろんな役割もあると知れました!
それはよかったです!また機会があれば、このコラムにご参加ください(笑)
ありがとうございます!引き続き宜しくお願いします!
いかがでしたでしょうか。
今回は視聴率について尾崎さんをお招きしてお話させていただきました。
今後も、広告やマーケティングについて、ちょこちょこお話させていただきます!
次回は「新聞広告ができるまで」にフォーカスします!
ご存知の通り、今、adcues agencyではチャットやメールの公用語が英語になっています。
毎朝、マーケの佐藤さんを交えて、簡単な英会話チャットをやっています。
ご興味ある方、英語を勉強したい方、一緒にチャットしませんか?
気になる方はお気軽に栗原までご連絡ください!
▼ 普段のチャットの様子
AA以外のメンバーも少しずつ増えてきています!
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前職は人材派遣業界で、総務として派遣社員の面接・給与計算・年末調整、募集している求人作成などを行っていました。
今はadcues agencyで広告関連の業務に従事しながら、多岐にわたる業務に携わらせていただいております。
![栗原菜津季の写真](/house-journal/img/ns-in-focus/vol001/img_profile_kurihara.jpg)
皆さん、普段方言ってどうされていますか?方言と気づかないまま相手に話すことありませんか?私もよくあります。個人的に通じないあるあるは「たいたん」。平仮名だと分かりませんよね…。「たいてん」とも言います。「たいたいたん」って感じで使います。「Titan」じゃないですよ。「炊いたん」です。「お米炊いたん?」「お米炊いてん」「鯛炊いたん?」などなど…。「炊く」という意味の「炊いてん」。あと「めばちこ」も通じませんでした…。むしろ本来はなんて言うのか、説明が難しかったです。皆さんの方言あるある、機会があれば教えてください。
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